テーマ : 描かれた1本の線が何になり得るか?
作/岡村志満子
英訳/平床政治
発行/2009 私家版(1000部)
価格/1050円
描かれた1本の線が何になり得るか? という事について
学生のときから考えていました。
人の脳には、絵を見る時、本を読む時、そこに描かれていない部分を補う力(概念)があります。それにより、映像は動きだし、物語は心地よく進んでいくのです。
でもそれは無意識に働くものなので、時々、思考の幅を狭めます。無意識を意識化できれば、見る人も、描く人も、絵を読む楽しさを広げることができると思うのです。
無意識を意識化することは「発見」であり、「発見」することは「楽しい」。「楽しい」は絵本になると考え、シンプルな道具と形を使って「from a line」を制作しました。
線について
右のページにある1本の線は、画面の同位置、同サイズで配置されています。
それは対応する言葉、まわりに描かれたモチーフによって、意味をもち、距離感、素材感、大きさ、動き、角度など、さまざまに変えてみせる事ができます。
印刷されただけの「ただの線」は何になり得るか?その時「紙」は何になり、言葉はどう響くか?たくさんの可能性を1本の線から見つけだして、ハッとしてもらええればうれしいです。
物事は角度を変えて見る事で世界が広がると思います。
持ってないものを持ってないとなげくより、手元にあるものを精一杯使いこなしたら、なにかできるんじゃないかなー。という思いも込めました。
それを証明するために、鉛筆と消しゴムと紙。色はモノクロ。誰もが持っている道具で本を作ってみたという感じです。
工夫する事、気づく事のおもしろさを、見る人に促せたらいいなといつも思っています。
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