2014/10/07

畠山記念館ハンドブック

が、完成しました。

開館50周年の記念のハンドブックです。
久しぶりにデザインとイラストの同時進行。写真とテキスト以外、全部担当しました。A5サイズ、16ページです。


































































江戸時代、松平不昧(出雲松江藩の藩主、茶人)が所有した名物茶入「油屋」を取り上げました。小さな茶入に付属品がいくつもあって、参勤交代の際には全てを収納して江戸に向かったそうです。その話が面白かったんで、学芸員さんに収蔵品の再調査をしていただき、収納方法をイラストにしました。

↓ 茶道具好きには、ここ、楽しんでほしい!

























最後の見開きには、建物や創業者の話をまとめて。






















数ページ省略しましたが、こんな感じです。





茶の湯に関する知識はゼロだったので、まずはお勉強からスタート。
初心者向けのガイドブックを、ということだったので、道具やお作法などの本や雑誌を眺めてみるものの、なんかピンとこない。っていうか、すでに印刷物になっているものを形を変えて集めても、意味ない気がする。。
ということで、畠山記念館のコレクションにまつわるエピソードや、由緒来歴に重点を置いてご紹介しています。



「お茶」っていうと、日本女性のたしなみ、みたいなイメージを持つ人も多いと思いますが、それは現代のイメージ。戦国時代、茶道具は一国一城の価値を持ち、茶の湯は政治的に利用されることも多かったそうです。名器として現代に残る茶道具を調べると、エピソードが面白いんです。

ちょうどそのころ、大河ドラマの『黒田官兵衛』では「荒木村重」の回。
織田信長に謀反をおこし、妻も家臣もみんな見捨てて、茶道具を持って城を脱出。(一族はみな処刑)信長亡き後、茶人として復帰。うんぬん。。
用語が多過ぎてテレビだけでは理解できず、wiki検索。歴史って面白いんですねー。ここに来て戦国時代にハマる人がたくさんいることをやっと理解しました。
(番組的には官兵衛が幽閉されてさてどうなるか、という回だけど、私の視点はあくまでも茶道具目線)

話それましたが、いろんな時代を経て、現代まで残った茶道具たちが美術館に収蔵されているわけです。ロマンですね。お点前の知識がなくても楽しめるでしょ?
こんな感じで私は「茶道具面白いなあ」と感じるようになりました。でもこれは私目線の茶道具の楽しみ方。
「おもてなしの精神」とか、「哲学」とか、お茶にはいろんなキーワードが当てはまるので、自分の楽しみ方を見つけられたらいいんだと思います。




畠山記念館さんは、港区白金台にある東洋古美術の美術館です。
荏原製作所の創業者・畠山即翁さんが、「自分のコレクションを通じて日本文化に誇りを感じ、後世に伝えてくれるようにしたい」と考えて、作り上げた美術館。その美術館が開館50周年を迎えました。
興味もたれた方は、ぜひ足を運んでみてください。

公益財団法人 畠山記念館
http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/